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2019/02/22 遺言・相続

相続法の改正

相続法の改正についてお話します。

 

改正民法(債権法)が2020年4月1日に施行されますが、実は、債権法だけでなく、相続法も改正され、一部については既に施行されている状況です。
最近は、相続に対する関心が高いので、ご存知の方もいると思いますが、知らなかった方もいるのではないでしょうか。

 

正確には、相続法という法律は存在せず、民法の一部に相続編というものが存在します。
今回は、その民法の相続編とそれに関連する家事事件手続法などが改正されました。

 

改正の概要は以下の通りです。

 

1 配偶者の居住権を保護するための方策
(1)   配偶者短期居住権
(2)   配偶者居住権

 

2 遺産分割に関する見直し等
(1)   配偶者を保護するための持戻し免除の意思表示の推定規定
(2)   遺産分割前の預貯金の払戻し制度等

 

3 遺言制度に関する見直し
(1)   自筆証書遺言の方式緩和
(2)   遺言執行者の権限の明確化等

 

4 遺留分制度に関する見直し

 

5 相続の効力等に関する見直し

 

6 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策

 

高齢化した配偶者を保護する必要性、相続紛争を防止する必要性、相続人を含む利害関係人の実質的公平を図る必要性などが改正の背景にあります。

 

また、同時に、法務局における遺言書の保管等に関する法律が成立しました。
これは、法務局において自筆証書遺言を保管する制度であり、相続紛争を防止するために新たに創設されたものです。

 

なお、改正相続法の施行期日ですが、原則的には、2019年7月1日とされていますが、制度によって異なるものもあります。

 

自筆証書遺言の方式の緩和は、2019年1月13日に既に施行されています。
一方、配偶者居住権と配偶者短期居住権については、2020年4月1日に施行されます。

 

また、法務局における遺言書の保管制度は、2020年7月10日に施行されることになっています。

 

今年から来年にかけて相続の制度は大きく変わることになります。
知らなかったことで後悔しないように、主要な改正点だけでも知っておくべきでしょう。

 

次回以降は、実務への影響に触れながら、各制度の詳細についてお話する予定です。

 

 

白土文也