2020/09/04 遺言・相続

遺産分割協議書の作り方 ひな型・雛形・書式・サンプル(ダウンロードあり)

このページでは、

遺産分割協議書を作成する必要はあるのか?

作成する上での注意点は?

について解説いたします。

 

 

なお、

 

・そもそも遺産分割が必要なのか?

・遺産分割協議はどのように進めるべきなのか?

 

について知りたい方は、このページをお読みになる前に、

遺産分割協議・調停・審判でお悩みの方をご覧ください。

 

 

遺産分割協議書を作成する必要はあるのか?

 

相続人間でどの財産をだれが取得するのかについて合意が出来た場合、

民法上は、合意しただけで遺産分割が成立したことになりますので、

理論上は、遺産分割協議書は必要ありません。

 

もっとも、以下の理由で遺産分割協議書を作成する必要があります。

 

・合意した内容を明確にして後日の紛争を回避するため

不動産の相続登記、預金の名義変更・払い戻し、株式の名義変更などの手続きに必要

相続税の申告に必要

 

したがって、実際には、遺産分割協議書を作成する必要があるという結論になります。

 

 

遺産分割協議書のひな型(雛形・見本・書式・サンプル)

 

細かい解説の前に、まずは、遺産分割協議書の見本をご覧ください。

 

 

遺産分割協議書(サンプル)

 

被相続人●●●●(本籍:●●●,令和●年●月●日死亡。以下「被相続人」という。)の共同相続人である●●●●(以下「甲」という。)及び●●●●(以下「乙」という。)は,被相続人の遺産の分割について協議を行い,以下のとおり合意した。

 

第1条(甲の取得分)

甲は,次に記載する遺産を取得する。

(1)土地

所  在  ●●市●●町●丁目

地  番  ●●番●●

地  目  宅地

地  積  ●●平方メートル

(2)建物

所  在  ●●市●●町●丁目●番地●

家屋番号  ●●番●

種  類  居宅

構  造  木造スレート葺2階建

床面積    1階 ●●平方メートル

2階 ●●平方メートル

 

第2条(乙の取得分)

乙は,次に記載する遺産を取得する。

(1)預金

●●銀行●●支店 普通預金 口座番号●●●●●●

(2)株式

株式会社●● 普通株式 ●●●株

 

第3条(代償金の支払)

甲は,乙に対し,第1条の遺産を取得した代償として,金●●●万円を支払うこととし,これを令和●年●月●日限り,●●銀行●●支店の乙名義の普通預金口座(口座番号●●●●●●)に振り込む方法により支払う。ただし,振込手数料は乙の負担とする。

 

第4条(新たな遺産が発見された場合の処理)

本協議書締結後,本協議書記載の遺産以外に被相続人の遺産が発見された場合,甲及び乙は,その分割方法につき別途協議する。

 

 

本協議の成立を証するため,本書2通を作成し,甲乙署名押印の上,各1通を保有する。

 

令和●年●月●日

 

住所

氏名

 

住所

氏名

 

 

 

この遺産分割協議書は、相続人が2人で、いわゆる代償分割で合意した場合の基本的なものです。

あくまで一つのサンプルです。

案件ごとに遺産分割協議書の内容は異なりますので、実際に作成する場合には、

弁護士などの専門家にアドバイスを受けることをお勧めします。

 

遺産分割協議書のひな型(雛形・見本・書式・サンプル)のダウンロード

 

上記の遺産分割協議書は下記からワード形式でダウンロードが可能です。

遺産分割協議書サンプル

 

主な注意点①不動産は登記事項証明書(登記簿謄本)の記載内容と一致させる

 

土地・建物の不動産を記載する際は、登記事項証明書(登記簿謄本)の記載内容と一致させる必要があります。

正確に記載していない場合や、そもそも記載内容から特定が不可能な場合、

法務局に相続登記申請をしても登記が出来ないことがあります。

 

実際の事例ですが、

 

●●山の麓の土地を長男に相続させる」

 

という記載の遺産分割協議書で相続登記申請をしたところ、

登記できなかった事例があります。

この事例では、遺産分割協議書を再度作成して、相続人らに対して遺産分割協議を求めましたが、

遺産分割協議の成立から相当の期間が経過しており、当時の相続人がお亡くなりになっていたこともあって、

現在の相続人からは署名捺印を拒否されてしまい、当事務所が代理人として交渉いたしました。

 

このように、せっかく合意したにもかかわらず、

後日の紛争に発展することもありますので、必ず登記事項証明書の記載内容と一致させるようにしましょう。

 

主な注意点②私道の持分やマンションの電気室などの記載漏れに注意する

 

例えば、相続財産に一戸建ての不動産がある場合、建物の敷地以外にも、私道が存在していることがあります。

仮に非課税になっていたとしても、遺産分割の対象ですので、記載漏れが無いように注意する必要があります。

また、マンションの場合については、区分所有建物以外に、電気室などが存在し、

区分所有建物とは別の登記がされていることがありますので、記載漏れが無いように注意してください。

 

 

主な注意点③預金・株式その他の遺産についても出来る限り特定する

 

サンプルで記載したとおり、不動産以外の財産についても、

特定できるように記載する必要があります。

例えば、銀行預金であれば、

 

銀行名、支店名、種別、名義、口座番号

 

を記載して特定します。

特定できていない場合、預金の名義変更や払い戻しが出来ない可能性がありますので要注意です。

 

その他にも、自動車やゴルフ会員権などの財産もありますので、

忘れずに記載するようにしましょう。

 

主な注意点④相続人全員が署名捺印する

 

遺産分割協議書に全員で署名捺印をする必要があります。

 

もっとも、相続人が遠方にいたり、相続人が多数に上る場合は、

1つの書面に全員が署名捺印することが難しい場合もあると思います。

 

その他場合は、遺産分割証明書という形式の書面を用いて、

相続人全員にそれぞれ単独で署名捺印してもらう方法を用いる場合もあります。

 

いずれにしても、全員が署名捺印をする必要があることに変わりはありません。

 

 

主な注意点⑤実印で押印し、印鑑証明書を取得すること

 

法務局に登記申請するためには、実印での押印と印鑑証明書の添付が求められますので、

相続人全員に実印で押印してもらい、印鑑証明書も取得する必要があります。

その他の手続きでも、実印と印鑑証明書が求められることがありますので、要注意です。

 

 

以上が、遺産分割協議書を作成する上での主な注意点です。

 

 

弁護士に遺産分割協議書の作成を依頼するメリット

 

書式などを利用しながら、遺産分割協議書をご自身で作成することも可能です。

もっとも、すでに述べた通り、財産の特定が不十分であるために、登記や預金の名義変更が出来なかったり、

また、そもそも合意した内容と遺産分割協議書の内容が一致していないと、

それが原因で紛争になる可能性もあります。

 

当事務所では、遺産分割協議書の作成やチェックについても対応しております。

遺産分割協議書の作成にご不安を感じている方は、お気軽にご相談ください。

 

遺産分割協議書の作成・チェックのご相談をきっかけにして、

合意しようとしている内容自体に問題があることに気付くこともありますので、

署名捺印の直前ではなく、なるべく早めにご相談ください。

 

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